今日は国立西洋美術館『ムンク展』と板橋区立美術館『ブルーノ・ムナーリ展』へ行きました。
ムンク展の会期は明日までなので開場の9時半にはかなり列ができていましたが、スムーズに見ることができました。絵の前に手すりがないので原画を間近で見ることも出来て良かったです。
残念ながらムンクの「叫び」は展示されていませんでしたが、同じ構図で描かれた「不安」(下の写真の看板に使われている絵)や「絶望」が展示されていました。
ムンクの絵には陰鬱なイメージを持っていましたが、厚みのある色彩と大胆なタッチはただ暗くて重いだけでなく、深みがあり、個人的にかなり好きなタイプの絵ばかりでした。確かに重いテーマのものもありますが、どれも生と死に畏敬の念を抱いて表現しているだけのような気がします。
細部を描かずに太い筆で大胆に描いていても形が明確なところ、キッチリと塗りこまないところ、余白を活かした表現方法、自分の作品を展示する時のレイアウトも考えているところ、勉強になる所がたくさんありました。
うってかわって『ブルーノ・ムナーリ展』は全般に明るく軽やかなイメージ。
彼はグラフィックやプロダクトデザイン、絵本などを手がけたイタリア人アーティストです。
有名なグラフィックデザイナーの福田繁雄さんや駒形克己さんも彼を師と仰ぎ、尊敬しています。
ユーモアあふれる作品の数々を、ひとつひとつじっくり見てまわるのが楽しい展示となっていました。
美術評論家が「人間的な暖かさがどの作品にもにじみ出ている」と評していましたが、まさにその通り。
中でも、既成概念にとらわれていない絵本は素晴らしかったです。ページごとに紙の大きさやが違うもの、素材を違えて五感を刺激するもの、自分で書き足して自由にページの差し替えが出来るもの…。
子どもの目線に立って作ったというより、彼自身が子どものように純粋で柔軟だったから作れたんだと思います。
こういうのを見るたびに、自分の頭は日々かたーくかたーくなってるなぁ…と実感。
もっと柔らかく生きなくっちゃいけませんね。
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