昨日、両国にある江戸東京博物館へ北斎展を見に行きました。
北斎漫画展も同時開催していたので、そちらも見ました。北斎漫画は江戸東京博物館内に展示されていたので博物館も一緒に見ることが出来ました。博物館を見る予定は全く無かったのですが、見てみるとこれが結構おもしろい。
江戸から東京への時代の移り変わりを分かりやすくジオラマや実物大模型、絵画等で展示してあり、レイアウトも工夫されていて、最後まで飽きずに見ることができました。
外国人の来場者を多く見かけましたが、確かに外国人の東京見物にはもってこいの場所だと思います。
江戸・日本橋界隈のジオラマ
江戸時代、錦絵(浮世絵)を販売していた店の再現
明治時代の銀座
鹿鳴館の模型はガラスの床の下にあって、時間になると屋根が開き、上からダンスパーティの様子を見ることが出来たりします。
そして北斎漫画展へ。
漫画といっても、現在のコミックのようなものではなく、北斎がたくさんの人物や動植物などスケッチしたもので、絵の指南書とも言われています。
ありとあらゆるものが小さい紙面いっぱいにとても細かく、丁寧に描かれていました。北斎漫画は約3900余・全15編にもなるというから、その量に驚きです。傑作を生み出す裏にはこういったデッサン力と観察眼を育てるためのたゆまぬ努力があったことが伺えます。努力というより、描くことが好きで好きで描かずにはいられなかったんだろうな、と思いますが。
漫画展の外では、北斎版画の彫りの実演もやっていました。
その細かい作業にクラクラ。
などと楽しんで中を見てたら、ゆうに2時間半くらい経ってしまっていたので、
慌ててメインの北斎展へ行ったら、ものすごく混んでいました。時間的に1番混む時間帯だったのではないかと思います。
他の画家と違って北斎の絵は小さくて細かい絵が多く、人垣の間からのぞいても何の絵なのか全く分からないので、辛抱強く並んで最前列でひとつひとつ見ました。
最初は満員電車のような混みで、この先ずっとこれなのか…と気が遠くなる思いでしたが、中へ進むほど余裕が出てきたのでホッとしました。
有名な富嶽三十六景のほか、たくさんの浮世絵・肉筆画が展示されていました。
見ていると江戸時代って結構楽しかったんではないかしら?と思えるほど、人物が楽しげに生き生きと描かれていて、色もビビッドなものがないのに、不思議と明るい印象がありました。
私は個人的に肉筆画が線に勢いがあり、モチーフも鷲や獅子などで、カッコよくて好きでした。
量販する錦絵では使えない贅沢な絵具が一枚摺りの摺物には使われていたりして、江戸時代にも今と同じように印刷コストに悩む人がいたのかと思うと何だかおかしかったです。
北斎展を見終わるのにさらに2時間かかりました…。
出る時、外はすっかり暗くなっており、足は棒のようになっていました。
他の浮世絵も機会があれば見てみたい…と思っていたら、偶然にも今日テレビで歌川広重の「東海道五十三次」や北斎の浮世絵に影響を受けたゴッホ、モネ、セザンヌの特集番組をやっていたので、興味津々に見てしまいました。
あの絵もこの絵も浮世絵の影響だったのか!と思うほど、構図や表現を参考にしていました。
だから、逆に日本人はこんなにも彼らの絵が好きなのかもしれません。
もちろん彼らは模写もしていますが、真似するだけでなく、それらを自分の中でうまく消化し、自分の絵として表現し直しているところがやっぱりすごい。
モネのアトリエ、ゴッホの描いた跳ね橋やカフェテラス、セザンヌが描いたサント・ヴィクトワール山などを広重の浮世絵とともに巡る旅…という番組でしたが、テレビを通して見てもどこも美しく魅力的な場所ばかりで私も実際に行ってみたいと強く強く思ったのでした。
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