『エリック・カール展』

松屋銀座で開催中の『エリック・カール展』を見ました。
エリック・カールは「はらぺこあおむし」で有名なアメリカの絵本作家です。
 
原画を見るのは初めてだったので、ワクワクして出掛けました。普通の紙に模様を書いて貼っているのかと思ったら、ティッシューという薄い紙を使っていました(ティッシューと言っても俗に言う「ちり紙」ではなくて、向こうでは普通に売られている薄い紙のことみたいです)。それに色や模様をつけたものを貼り絵にしているのですが、ティッシューを使うことによって、背景の色が透けて見えたり、美しい重なりが出来たりして、とてもいい効果を出していました。
そして、鮮やかな色づかい、造形のおもしろさ、心躍るストーリーや仕掛け、すべてにおいて圧倒されまくりでした。カッコよくて、楽しくて、キレイで。絵本の魔術師と呼ばれるのも納得!でした。
でもやっぱり、そこに至るまでには様々な技法を試行錯誤した過去があり、絵本のダミー本を何冊も作る陰の努力があったのでした。
展示の仕方も見やすくてよかったです。制作しているところや本人のインタビュー映像、「はらぺこあおむし」の映像絵本、実際に使用している画材の展示など、レアで、作家が身近に感じられるものでした。
絵本原画のほかに、色をつけたティッシューを構成した「インディペンデント・アート」も展示されていました。
これは彼の息抜きというか趣味で、売るつもりはないものだそうですが、一時は絵本から離れて真剣に取り組んでいたほどのものだそうです。私が通うイラスト教室の先生も、絵を描いていて行き詰まったら違う方向からアプローチしていくといい、絵を描くことによって絵のスランプを超えるといいと言っていますが、「まさにそれなのでは!?」と思いました。
私も最近、彩色画の案が浮かばなくて困り果てた時は線画を描いたりしてますが、線画ばかり続いて息抜きになっていないような気がします…。

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