『ミレイ展』

Bunkamuraザ・ミュージアムで『ミレイ展』を見ました。

ミレイは才能にもお金にも家族の愛にも恵まれ、順調に画家人生を歩んだ羨ましい人でした(おまけにイケメン)。
1番最初に展示されていたミレイ11才の時のデッサンの上手さにまず度肝を抜かれました。

その年にロイヤル・アカデミー美術学校に史上最年少入学も果たしているそうです。すごいです。
そして目玉の『オフィーリア』はゾッとするような美しさでした。
端から端までどこも手を抜かずに写実的に描かれているのに、全く重く感じないのは色の成せる技なのでしょうか。葉脈のスケッチにひと夏を費やすほど緻密に描かれた植物は植物学の授業にも使われたほど。モデルの女性に自ら用意したアンティークのドレスを着せ、浴槽に浮いてもらって描いたそうです。
ミレイのその描くための意気込み・こだわりがすごい。他でも絵のためにベッドを購入したり、ランプを特注したり。お金に物言わせてる的なところもあったりしますが、絵に対するその真面目さは見習いたいものです。
そしてミレイの描く女性はどれもスゴイ美人。衣装も宝石も豪華です。展示された絵の中には戦争がテーマのものや、死がテーマのものなどもあり、ミレイが次男を失った時くらいからちょっと色が暗めになるものの、全体的に華やかで裕福な世界でした。
今回の展示は、油彩だけでなく、スケッチやペン画・版画なども見ることができ、作品の大きさも色々あって見応えあるものでした。

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