国立新美術館とサントリー美術館でピカソ展を見てきました。
もう終了も近いというだけあって、国立新美術館の方は朝からかなりの混雑ぶり。でもこれだけの作品を東京で1度に見られることはそうそう無いと思うので、じっくり見てきました。
ピカソ本人が「私は、他の人が自伝を描くように絵を描いている」と言ったように、その時その時の環境や感情をすべて絵にぶつけています。
友人の死、他の芸術家の影響、新しい恋人との出会い、戦争。
事あるごとに画風やタッチが変わります。特に女性との出会いはものすごく大きいようで、まるっきり変わるのが見てておかしい。
妻・オルガに隠れてマリー=テレーズと付き合ってる時は、ばれないように静物画として彼女を描いてたりするんですが、その時期、色やタッチがすごく浮かれてて、踊ってました(笑)。
でもこんな風にピカソが恋多き男だったおかげで、こうして今色々な画風の作品を見ることができるのですね。
今回の展示では、絵画以外に彫刻や立体作品、エッチング、リトグラフなど、多種多様な作品を見ることができます。特に線画やモノクロ作品は色がない分、その線の美しさが際立っていました。
ピカソの作品の流れを見ていると、年をとればとるほど、愛や欲望に素直に、本能のまま生きていくようになったと見えます。そのおかげで、愛人同士がケンカするという修羅場もあったりするんですが…。
私は苦悩の多そうな、若いころの作品(青の時代)の方が好きですけど。
↓サントリー美術館の青の時代の自画像
晩年のピカソのタッチは、とても荒々しくなっていました。
もうすぐ亡くなるかもしれない、でもまだまだ描きたいことがあるんだ…そんな焦りがあるように見えました。
でもどんな状況でも絵があったから、ピカソは強くたくましく生きてこれたんだと思います。
彼にとって芸術は人生そのもの。
そんな人生、素敵…と思います。
↓持ってたピカソの画集の表紙、「トラックの玩具で遊ぶ子ども」の原画を今回見ることができてうれしかったです。思ってたより全然大きくて迫力ありました。他の作品同様、黒が効いてます。
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