アート三昧な1日

今日は早起きして、江戸東京博物館の『写楽 幻の肉筆画』展へ。
ギリシャ大使がコレクションしていた浮世絵が多数公開されているのだが、その中に謎多き絵師・写楽の肉筆画(扇面画)が世界で初めて一般公開されている。
その他歌麿や北斎の版画も保存状態良く残されており、大変貴重な展示となっている。
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着物の色の組み合わせや柄が本当に美しかった。
そしてそれが絹と一目でわかる柔らかい墨のライン。そのデッサン力の高さに脱帽だ。
絵をまず見て「ああ、なんて線が美しいんだろう」と思って作者の名前を見ると、写楽とか、歌麿とかの有名な人だった。
筆の運びが他の絵師とまるで違う。そこが有名である所以なのだろう。
その後、博物館内でやっている企画展『江戸東京ねこづくし』へ。
「ねこづくし」と聞いたらネコ好きとしては行かずにはいられない。

浮世絵や小説に登場してきたネコたちが多数展示されていた。
中でも歌川国芳の描くネコが丸っこくて可愛かった。北斎のはちょっと骨ばってて可愛くなかった。
夏目漱石は飼い猫が死んだ時に知人に死亡通知を出すほどのネコ好きだったと知って、ちょっと親しみがわいた。
展示には化け猫コーナーもあった。
ネコは甘えたと思ったらすぐに攻撃してきたりするところから化け猫が生まれたとか、油をなめるのは昔、行灯に魚油が使われていたからだとか、色々なトリビアがあっておもしろかった。
その後、世田谷文学館の『堀内誠一 旅と絵本とデザインと』展へ。

堀内誠一氏といえば、絵本『ぐるんぱのようちえん』の絵と雑誌『アンアン』のアートディレクションをした人…ぐらいの知識しか持ち合わせていなかった私は、そんな自分を恥じた。
デザインもイラストも絵本も、ものすごくたくさん仕事をしている人だった。
今でも残るおしゃれ雑誌の礎はすべてこの人が作ったと言っても過言ではないだろう。
そして旅のレポート記事を描くための膨大な量のスケッチや味のある書き文字や様々なタッチを描き分けた色鮮やかな絵本。
どれもとてもセンスが良く、資料のための写真ですら嫉妬するほどカッコよかった。
そりゃ生まれもった才能ももちろんあるだろうけど、それ以上に努力が凄まじかったに違いない。
この人はきっと常に手を動かし続け、アイデアを探し続け、写真を撮り続けていたのだろう。
私ももっとスケッチや写真撮影をやらなくては!いや、やりたい!と思った。
そして堀内氏は様々なタッチとともに様々な画材を使っていた。
新しい画材は国内外のものを問わず、どんどん試していったという。
そういう柔軟な姿勢も見習いたい。
その後、御徒町へ。
ものすごく久しぶりのアメ横。新鮮だった。
しかし今日は目的の買い物が果たせなかったので、後日出直すことにして外苑前へ移動。
外苑前ではギャラリーダズルさんで、オーナー・村松真理子さんの個展を拝見。
ポジを2枚重ね合わせてプリントした写真は、色もモチーフも幻想的で、不思議なムードを醸し出していた。
写真だけでなく立体作品もあったり、ビデオ映像を写真に撮ってそのブレた感じを活かしていたり、詩的な文章が横に添えられていたりと、見る者の目を色々楽しませてくれる工夫に満ちていて、見習いたい点のたくさんある展示だった。
しかもその素敵作品のポストカードが無料でいただけるのだ。なんて太っ腹!

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