もうかれこれ8年もファンクラブに入っているミュージシャンがいる。
まさか自分でも、こんなに長くファンでい続けるとは思わなかった。
8年前、私は母を亡くして途方に暮れていた。
家事や仕事をしている時以外は泣いてばかりで、その頃はイラストもろくに描いていなかったし、空いた時間に何をすればいいのか、何を考えればいいのか、自分の心の置き所が全く分からなくなっていたように思う。
(その頃の気持ちはあまり掘り起したくないから、いつもは土をかぶせて埋めてあるので、細かいことはあまり思い出せない)
そんな日々を送っていたある日、テレビで流れていたミュージッククリップに心を奪われた。
それまでもそのミュージシャンのことは知っていたけれど、なぜかその曲その歌声に心を揺さぶられてしまったのだ。
私はいてもたってもいられなくなり、すぐにファンクラブに入った。
たまたまパート先に同じミュージシャンを好きな人がいたので、その話をしたら彼女もすぐにファンクラブに入った。
そして2人でライブに行った。
とても楽しかった。
あまりの楽しさに、1日しか行かないつもりが別の日のチケットがまだ売っていたので思わず買ってしまったのを覚えている。
そしてその年の大みそかのカウントダウンライブから私はそのミュージシャンにドップリと浸かることになる。
その時はワンマンでは無かったけれど、大みそかという特殊な状況にイヤでもテンションは上がりまくり、メチャクチャはじけてしまった。
母を亡くしてから初めて心から楽しめた瞬間だった。
それからずっと、私は彼らのライブに行くことを心のより所にして生きていったように思う。
今でこそ、イラストという他に夢中になれるものがあるので、前ほどのめり込むことはないけれど、今でも彼らのライブは楽しいので行っている。
でも曲でも演技でも小説でも、どんな形であれ、誰かを元気づけることのできる表現者ってすごいと思う。
(たとえ、それが発信側の意図しないことだとしても)
だから、イラストでの力は弱いかもしれないけど、誰かが私の絵を見て少しでも楽しんでくれたらいいな、と思っている。
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