昨日の行動記

昨日はまず、東京国立近代美術館の『ゴーギャン』展へ。
開場の10分前に到着。私の並んだチケットありの列はそうでもなかったけれど、チケットを購入するための列はかなりの長さになっていた。
それを見て「こりゃあ、ゆっくり観てるとどんどん混んでくるな」と思った私は、文字の説明は後で図録を見ればいいやとすっ飛ばし、借りようと思っていた音声案内も今回は止めた。
ゴーギャンと言えば【タヒチ】というイメージだが、私は初期の頃の風景画の方が好きだ。
その頃はまだ日曜画家として趣味で絵を描いていたようで、純粋に描くことを楽しんでいる様子が絵から伝わってきた。
色の組み合わせがやチョイスがとても美しく、全体的に淡いんだけどボンヤリとした印象ではなく、それは濃い色を効果的に使ってるからからだ思うけど、その濃淡差が激しくなくて心地良い。
柔らかくて暖かい光、爽やかな風を感じる絵だった。
タヒチに移ってからの絵は、それこそ原色多用で濃淡差パッキリ!になってもよさそうなものなのに、人物の表情とか暗いし、色調も暗いし(もちろん明るめのもあるけれど)、どんどん小難しくなっている気がした。
案の定、ゴッホとケンカ別れしてタヒチに移住したものの、貧困や病気に悩まされていてあまり幸福ではなかったようだ。
でも影の部分に単純に黒を入れただけじゃない表現方法はとても素敵だった。
遺作となった大作『われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか』は、希望は持ちたいけれどもう持てない、終焉に向かいつつある彼の悲しい人生をとてもよく表しているような気がした。
他にも、石膏像やエッチング、木版画なども展示されていた。
ゴーギャンもご多分にもれず、色々TRYしていたようだ。
そんな風にして割とゆっくりじっくり観たのだが、観終わったのは入ってからわずか35分後だった。早っ!
作品数が少ないのは大混雑前提だからか。
「こんなことなら音声案内を借りるべきだった」と悔みながらも銀座へ向かう。
銀座ではまず、クリエイションギャラリーG8へ。

ここでは東京イラストレーターズ・ソサエティ(TIS)の会員の方々が「日本の童謡・唱歌」 をテーマに展覧会を行っている。
懐かしい曲から、はじめて知ったおもしろい曲まで色々あって、捉え方も様々で楽しかった。
先ほどのちょっと暗い色調のゴーギャンとはうって変って、明るい元気な色合いが多かった。
ここでの展示を見に来る度にいつも原画を購入できることを失念していることに気付く。次回はぜひとも購入したい。
その後、ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)へ。
ここでは『銀座界隈隈ガヤガヤ青春ショー ~言い出しっぺ横尾忠則~灘本唯人・宇野亜喜良・和田誠・横尾忠則4人展』をやっている。
日本の大御所4人の方のイラストだけにとどまらない、素晴らしいお仕事がたくさん展示されている。
1階の30~40年も前の作品とはとても思えないポスター群がまずスゴイ。
【いつの時代でも新しい】 これぞまさにイラストレーションの理想形。
B1階の各人のお仕事の展示もこれまたスゴイ。デジタルなんて無かった時代のデザインの濃さ。強さ。
イラストレーターではなく、まさに総合プロデューサー業である。
色んな仕事をこなしているからこそ、自分の絵を客観視出来て、仕事として最高の絵に仕上げることができるんだ…と思った。
そこには線画も多く展示されていたのだけど、その1つ1つの線がとても素敵だった。
その後、ちょっと時間が余ったので、松坂屋の無印良品で猫草栽培セットを買って、ちょっと前に話題になった洋服店 H&M に入ってみた。
さすがにOPEN時のような混雑ではないけれど、結構混んでいた。
秋物のせいか、渋い色合いが多い。でも私はそんなに混雑するほどの意味も値頃感も特に見いだせず、早々に店を出た。
それから千駄ヶ谷のギャラリーエフへ。
さやかさんの個展『少女、迷子になる』を拝見。
さやかさんの個展は昨年も拝見させていただいていて、その上手さと世界観に驚愕したのだけど、「1年でこんなにですか!!」と思うぐらい、更に成長されていていて、もう脱帽って感じだった。
本屋さんでさやかさん表紙の本を拝見させていただく度に「素敵~!」と思っていたのだけど、原画はもっと素敵だった。
お若いのにこのクオリティの高さ。尊敬!
その後、ハチ公バスで移動して、ペーターズギャラリーへ。
こちらでは『福福百貨展 vol.3[旅]』を拝見。
私が今通っているイラスト教室のOGの方々の展示。先生もゲスト参加されている。
展示全体からパワーと明るさがみなぎっていて、立体物とかスタンプラリーとかあって楽しい展示だった。
仲間は宝だな、と思った。

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