ミポリン・いまむかし と ミーコ・3歳

最近ケーブルテレビで観た映画。
『東京日和』(1997年)
写真家・荒木経惟夫妻の『東京日和』をベースに、竹中直人が監督した作品。
淡々と夫婦の日々を綴っている。
原作を読んでいないので何とも言えないけど、妻の陽子さんは本当にあんな風に奇行に走ったりしていたのだろうか。
きっと理由があったに違いない。
でも色々ありながらもお互いを愛しく感じている夫婦、妻を亡くして改めてその存在の大きさに気づく夫…というのが押しつけがましくなく表現されていてよかった。
監督は美大出身(私の先輩です)らしく、アングルや色合いにとてもこだわっている感じ。
全盛期の中山美穂がとても美しい。特に船でうたた寝をしているシーン。
あのシーンをミポリンで撮りたいがために作った映画に違いない、と勝手に思い込む。
『サヨナライツカ』(2009年)
1975年のバンコクが舞台。光子という婚約者がいながら沓子(とうこ)との情事に溺れる豊。
25年後、想い出のオリエンタルホテルで再会した2人だが、沓子は病魔に侵されていて…。
イ・ジェハン監督の『私の頭の中の消しゴム』が好きなので、大いに期待していたが、前半はバンコクの美しい景色とキレイな音楽で引っ張るのみで、ダラダラしてて退屈だし、後半はストーリー的には見させるものの、感情移入して引き込まれる…という感じではなかった。
ミポリンの夫の作品は何冊か読んだが、どうも過度にロマンチストでナルシストっぽい気がしてあまり好きになれなかった。だから、原作は読んでない。
この作品でも”不倫したけど、その後25年間愛し続けた=美しいこと”に昇華させている点がどうも納得いかなかった。
私から見れば豊は”自分勝手なだらしない男”にしか見えない。
でも映画『冷静と情熱のあいだ』もこんな感じだったから、「この手の話が好きなのね」と思った。
役者的にもどうなんだろう。
無表情で棒読みチックな西島秀俊からは、女に溺れていく気持ちがまったく伝わってこないし(他の映画だったらこの感じが功を奏することもあると思うけど)、ミポリンも奔放な女にはどうしたって見えない。
何より、10年前にこの映画の企画が立ち消えたのが残念だ。
当時の彼女だったらもしかしたらこの妖艶な女を表現しきれたのかも、と思うくらい老けた印象が拭えなかった。
この映画のためにダイエットしたのかもしれないが、痩せ過ぎで却って老けて見えるのが残念。
西島秀俊の鍛えぬいた肉体も「よく頑張ったなー」とは思うが、若く見えるわけではなく…。
25年後の老けメークも「いったいいくつの設定なんだ?!」と思いたくなるくらい、若いんだか、年よりなんだか分かんなくて中途半端。
結局、そんなことばかり気になってしょうがないまま終わってしまった。
でも風景や建物や衣装など、美術はラグジュアリーさを追求した感じでよかった。
25年前がイエローベース、現在がブルーベースな感じも。
観た映画は偶然にもミポリン独身最後とブランク後初の映画だった。
12年の隔たりは大きいねぇ。

先月、久しぶりにペン画を描く機会があったので、ペン画再開。
ミポリンは、昔から結構好き。
若い頃は「あんな顔に生まれたかった」と思ってた。
彼女は歌も演技もそれほど上手いわけではないけれど、印象的なビジュアルとその凛とした佇まいが人を惹きつける。
☆ ☆ ☆ ☆
9月2日はミーコの3歳のお誕生日(拾った日)。
今年もうっかりしてて2日遅れてのお祝い。
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いつものカリカリにフリスキーを混ぜてあげたら、2匹ともペロリだった。
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健康で長生きしてね。

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