映画の感想は4回に分けて…と書いたけど、昨日で2月が終わりだったので、2月に観た映画の感想も書きます。
『マイブラザー』(2009年・米)
戦争が家族にもたらす悲劇を描いている。
ある意味反戦映画なのだろうか。重いテーマだった。
戦地(アフガニスタン)に赴く前と後の兄・サム(トビー・マグワイア)の変わりようが見事。長女・イザベル役の子(ベイリー・マディソン)もうまかった。
サムが戦死したと思って、弟・トミーと妻・グレースが惹かれあっちゃうのは安易だと思う人もいるだろうが、私には自然に思えた。惹かれていく過程が丁寧に描かれていたし、近くにいるってやっぱり強いと思うから。
でも踏みとどまるところや最後のシーンが現実的で○。
『パーフェクトストレンジャー』(2007年・米)
幼なじみの死の真相を暴くために、広告業界の大物のもとへ潜入する女性記者のお話。
ハル・ベリーはバービー人形のようにスタイル抜群。
ブルース・ウィルスは地でいくようなスケベなおっさんを演じてて笑える。
セキュリティ甘過ぎー!とか、1記者がここまでできんのー?とか色々あるけれど、最後のどんでん返しがいい。
『サイダーハウスルール』(1999年・米)
好きな映画の1つ。
だいぶ前に観たので色々忘れていた。以前観た時はラーチ医師の子を思う気持ち(血縁関係はない)を思って涙が止まらなかったんだっけ。
寂寥感漂う映画だ。場所もテーマも人々も…。でもじんわりと心に沁みわたっていくものがある。
トビー・マグワイアが真摯でピュアな青年を好演。すべてを物語る悲しげで大きな目が美しい。シャーリーズ・セロンも溜息が出るほど美しい(特に裸のお尻)。
ちょっと暗めのニューイングランドの風景も美しく、内容に合っている。
この映画の監督ラッセ・ハルストレムの他の作品、「ギルバート・グレイプ」「ショコラ」も好き。
『ドリームガールズ』(2006年・米)
オスカーをいっぱい獲ったことで有名なミュージカル。ドリーメッツのファッションがとにかくステキ。どれもかわいいし、有名になるに従ってどんどんゴージャスになっていくのが見てて楽しい。
美人な女の子をメインにしたり、ラジオを買収したりと売れるために色々やるのはいつの時代も同じ。でも当時(60年代)、黒人歌手が売れるのはとても大変なことだったようだ。
そんな中、やり手のマネージャーが大金と名声を手にしていくうちにどんどん欲深い人間になっていく。人間て大金を手にすると皆こうなってしまうものなのね。
ビヨンセはものすごく美しいけれど、助演女優賞を獲ったジェニファー・ハドソンは歌唱力しかり、迫力満点。
エディー・マーフィーの歌のうまさにも驚いた。
音楽もカッコよくてずっとショーを見ている感じ。
観るによし、聴くによし。
『海を飛ぶ夢』(2004年・スペイン)
海の事故で26年もの間、首から下が不随になってしまう男性の尊厳死をめぐるお話。実話がベースだそう。
最初、主人公の男性を演じてるのがハビエル・バルデムだと全く気づかなかった。特殊メイクで禿げ頭になっているんだもの。若い時の回想シーンに髪の毛フサフサで出てきてやっと同じ人だと気づいた。
今まで観た作品とは全然違う役だ。幅の広い役者だなー。
家族に何十年も介護されている自分が生きている価値はあるのか?と尊厳死を願う男性の気持ち、死んでほしくないと思う家族の気持ち、どちらも間違っていないだけに色々考えさせられる映画だった。
同じようなテーマでも「潜水服は蝶の夢を見る」とは全く違った目線。
窓を飛び出して海を飛ぶシーンが壮観だ。
『フォレスト・ガンプ/一期一会』(1994年・米)
有名な作品だけど、初めて鑑賞。
フォレストが純粋に真っすぐ生きていたら時代が自然に彼を運んでいった…というようなお話。
「うまくいきすぎっしょー」とか「ありえないよー」というところは多々あれど、彼の無垢さ、真っすぐさに心動かされる。こんな人に会えたらいいな、とか、こんな風に生きられたらいいな、と思う。
トム・ハンクスはうまいねー。
『ディパーテッド』(2006年・米)
警察に潜入したマフィアと、マフィアに潜入した警察官。正体を明かすための、畳みかけるような攻防戦が続く。
少々残酷なシーンが多いのはナンだが、先の読めない展開が常にハラハラドキドキ面白かった。どちらの潜入者もビクビクやってたり、手落ちがあったりするところがリアル。
ジャック・ニコルソンの存在感がものすごい。まさに怪演。
マーティン・スコセッシ監督の作品はむかーし「タクシードライバー」を観たぐらいだが、他の作品も観てみたい。
『ザ・エージェント』(1996年・米)
展開の読める内容ながら、それなりに楽しんだのは、トム・クルーズとレニー・ゼルウィガーが主演だったところが大きいと思う。ちょっと長すぎるので、もう少しコンパクトにしたらよかったのに。
でも頑張って成功するお話、ハッピーな恋のお話はいつだって楽しい。
スチュワート・リトルにも出てた子役のジョナサン・リップニッキーがとてもかわいかった。
今どうなってるか検索してみたけど、見事に面影がなくなっていた。
…とまぁ、5回に渡り、自己満足というか、備忘録的な映画感想を書いてみました。
もしお付き合いくださった方がいれば、誠にありがとうございます。
これだけ見てたら、趣味:映画鑑賞と言えるかしらん。
でも映画館で観てないし、DVDなわけでもないし、やっぱり趣味:テレビ観賞ということになってしまうのだろうか。
☆ ☆
私は【おもしろい】映画が好きだ。
それはストーリーに限ったことではなく(もちろんストーリーも重要ではあるが)、ファッション、ロケーション、インテリア、カラー、アングル、役者の表情、なんでもいい、1つでも【魅せる】ところのある映画だ。
そういう映画は淡々とストーリーが運んでも、特に事件が起こらずとも、人をグイグイと惹きつける。
そんな映画が私にとっての【おもしろい】映画なのだ。
細かい意図や伝えたいメッセージ、人を元気づけたり悲しませたり喜ばせたり、そんなの受け手が勝手に解釈すればいいことだから、はっきりしてなくたっていい。心や体に訴えかけるものが何かあれば、それでいい。
ではそれって一体なんなのだろう。作り手の魂だろうか。
きっと上っ面で作っても出てこないものなのだろう。
それは映画に限ったことではなく、アートの世界全般でも言えることなんではないかしら。
創造の世界は深い。
☆ ☆ ☆ ☆
ケーブルテレビでは、今年のアカデミー賞のレッドカーペットの様子や、ファッションチェック番組を放送していた。
そのファッションチェック番組・ファッションポリスに出ていた辛口おばさん(ジョーン・リヴァース)。
毎年ベストドレッサーとかワーストドレッサーとか出るけど、いまいちその良し悪しが分からなかった。
でもこの番組は私の思ってた感想と結構似ていた。
前髪パッツンのルーニー・マーラはかわいかったけど「胸の貧弱さが目立つなー」と思っていたら、この番組でも「胸にひさしを付ける(ドレスのデザインがそうなっている)と大きくならないわよ!」とか「もっとハンバーガーを食べなさい!」とか言っていた。
「キャメロン・ディアス、腕のムキムキが気になるなー」と思っていたら、やはりコメンテーターが「腕が男みたい…」と言ってて笑えた。
そしてこの番組で悪評高かったのがアンジェリーナ・ジョリー。
ドレスがどうの…とかいうより、ドヤ顔でやたら足を強調したポーズがいけなかったらしい。
辛口おばさんもマネキンの足をわざわざ用意して非難。
私が一番いいなーと思ったドレスはメリッサ・マッカーシー。
ピンクのヒラヒラドレスの胸の部分の上と下をキラキラのシルバービーズで留めてある。
番組での評判も上々であった。
辛口おばさんは「ちゃんとブラジャーをつけなさい」とか言ってたけど。
そして番組としてのベストドレッサーはヴィオラ・デイヴィス(おばさん推し)とグウィネス・パルトロウであった。
刺繍だの、ビーズだの、スパンコールだの、ヒラヒラ、キラキラ、ピカピカ、見ているだけで楽しかった。
ブランドもジバンシー、グッチ、トム・フォード、ルイ・ヴィトンなど一流どころばかり.。靴の人気はジミーチュウ。
そんな中、助演女優賞を獲ったオクタヴィア・スペンサーのドレスはタダシ・ショージという日本人デザイナーが作ったものだった。番組内でも賞賛されていたが、プラチナ色のとても素敵なドレスだ。
総じてレッドカーペットの色のインパクトに負けない、ゴージャスでハッキリした色のドレスが評判いいようだった。
どの人も胸にあまりネックレスを着けてないなーと思ったら、それは”too much”になってしまうみたい。
あと、靴が見えるような丈でもいけないようで、皆が皆、裾をズリズリと引き摺っている理由がよくわかった。
そうやってドレスには色々ルールがあるし、体のラインがモロに出ちゃうピタッとしたドレスが主流みたいだからスタイル作りもしなきゃだろうし、その上ベストだのワーストだの言われちゃうんだから、着る方も作る方も大変だなーと思った。
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