土曜日観た映画(exercise-35)

『ツォツィ』(2005年・イギリス、南アフリカ)
アパルトヘイト後も続く南アフリカの格差社会。スラム街に住むツォツィ(スラングで不良という意味)と呼ばれる少年は、日々強盗や暴力を繰り返していた。
ある日、盗んだ車の中にいた赤ん坊を家に連れ帰るが…。
2006年アカデミー賞外国語映画賞受賞作品。
自分では、きっとチョイスしないであろう作品。ケーブルテレビで放映されてランダムに観るからこそ、こういった作品も観ることが出来ていい。
R-15指定だけあって目を背けたくなる描写も多いが、それが南アフリカの「現実」だということに驚愕する。
差別、貧困から生まれる社会の歪み、人間の心の闇。
そこに生まれ落ちることは、本人にはどうすることもできない現実。受け入れて生きていくしかない。
日本に生まれるというだけでも本当に幸せなことだと実感する。
ツォツィを演じるプレスリー・チュエニヤハエの目が本当にいい。目だけですべてを物語っている。
最初の頃の怒り、悲しみ、苦しみ。
中盤~後半の安らぎ、喜び、希望。
表情が本当に自然に変化していく。
最後、丘の上で赤ん坊を抱っこしている時の表情なんて実に清らかだ。
彼の着ていた黒っぽい服が最後には白いシャツ。
ラップミュージックのBGMが、美しい曲に。
そういった視覚的、聴覚的な変化もいい。
最初警戒心を露わにしていた女の子、ミリアム役のテリー・ペートの表情の変化もよかった。
『アイ,ロボット』(2004年・米)
2035年のアメリカ。
ロボット工学三原則を組み込まれたロボットは人間の日常に入り込んでいた。
そんななか、ロボット製作会社の博士が自殺。
スプーナー刑事(ウィル・スミス)はその謎を追うが…。
いくら便利になってもこういう未来って、昔見たマンガとかでもそうだけど、薄ら寒さを覚えるのはなぜだろう。人工的過ぎるからだろうか。まったく憧れの感情を抱けない。
まぁ、あと20年でここまで進化するとは思えないけど、自動運転の自動車とかは現実味を帯びてきているので、そう架空の話ではないのだろうなぁ。
しかし、ウィル・スミスはこういう役がよくハマる。
鍛え抜かれた身体もかっこいい。
何事にも「絶対の安全」は存在しない、ということか。
今観るせいか、色々意味深。

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