私が小学生の頃、学級文庫で大人気の本があった。
クラスの生徒が代わる代わる手に取り、何度も何度も読む、そんな本だった。
憶えているのは【押入れが舞台】【主人公は女の子】【絵が不気味】だということ。
私はそれをずっと『おしいれのぼうけん』だと思っていた。
大人になってふと読んでみたい、という衝動にかられ、『おしいれのぼうけん』を検索すると、確かにそれは読んだことはあるけれど、主人公は男の子だし、私がうっすら記憶していた本とは違っていた。
結局それ以上探す術がみつからず、一旦あきらめた。
それからだいぶ過ぎ、また何かのきっかけでその本を探してみた。
そしてそれが、一時廃刊になったものの、復刊した本『おしいれの中のみこたん』だと判明した。
表紙を見て「これでは?!」と思い、中身紹介で「絶対これ!!」と確信、購入してみた。
間違いなく、私が探してた本だった。
カラーページもあるけれど、押入れが舞台だからか、色調はダーク。
今見てもすばらしいーーー!!
確かに絵はちょっと怖くて不気味。でもとても惹かれる。
何度も開かずにはいられなかった子どもの頃の気持ちを痛烈に思い出す。
私は常日頃、大人に人気の絵本と、子どもに人気の絵本は違うのではないか、
【子どもはこういうものが好きに違いない】という大人の固定観念はまったくあてにならないのではないか、と思っている。
まぁ、実際買うのは大人なので、大人の意見も大事だけれど。
でもやっぱり子ども向けの本は、一番の読者である子ども達の感想やレビュー、順位が知りたい。