私の永遠の憧れ、そして原点

イラストレーターの原田治さんが亡くなられた。享年70歳。
大変なショックです…早すぎます…。

原田治さんといえばOSAMU GOODS。
おしゃれで洗練されたグッズは当時の女子学生に圧倒的な人気を誇っていました。
私も中学~高校くらいまで色々なものを集め、持っていました。
ボストンバッグ、スクールバッグ、傘、お弁当箱、マグカップ、腕時計、ペンケース、消しゴム、鉛筆、ノートetc.
ペンケースに至っては、落として割れてしまったので違うものを買おうかと思ったけど、どうしても他に気に入ったものがみつからず、同じものを買い直したことさえあります。

皆に知られていない品揃えのいいお店に行っては誰よりも先に買う喜び。
暗い思い出の多い学生時代、唯一私の気分をあげてくれた、キラキラした小物たちでした。
(ミスドノベルティも欲しかったけど、学生の少ないお小遣いでドーナツをたくさん買う事は難しく、バイトして手に入れたい!と思ってました。バイトしたからといってもらえたわけではないと思いますが。)

そしていつか行きたいと思っていた憧れのソーダファウンテン(OSAMU GOODS直営店)。
(東京都下の田舎娘には行く勇気が無かった)

その頃の私の描く絵は恥ずかしいくらいモロに影響を受けていました(今とはタイプが違いますね)。
原田さんは当時Oliveの星占いコーナーの絵も描いており、astrologyのロゴをひとつひとつ形態を変えて描いていたものを年賀状でそっくり真似たこともあります。

私がイラストレーターという職業を意識したのも、多摩美を知り受験したのも(原田さんの出られたグラフィックには落ちたけど)、パレットクラブスクールへ通ったのもすべて原田さんが好きだったからです。

多摩美ではインテリアデザインを学び、卒業後は家具のメーカーに勤めたためイラストからは遠ざかっていましたが、結婚を機に会社を辞め、改めてイラストレーターを目指したいと思った時、まっさきに頭に浮かんだのが原田さんが校長を勤めるパレットクラブスクールでした。

そこで長年の憧れだった原田さんの授業を受けることが出来ました。作品も講評していただきました。夢のようでした。
そこに1年間皆勤で通い(先生は色々と入れ替わります)、最後の授業後にスクール内のBar(原田さん自らお酒を作り、主に授業を終えた先生が飲んでいく)で勇気を出してサインをお願いしました。
私はサインだけもらったらすぐ帰ろうと思ってたけど(図々しいやつですね)、原田先生が「まぁ座っていきなさい」と席を勧めてくださり、飲み物まで出してくださいました。
私はド緊張でほとんどしゃべれませんでしたが、たまたま隣に座っていた同級生と先生とは何やら外国のイラストレーターや映画の話で盛り上がっていました。
まったくちんぷんかんぷんだった私は恥ずかしさもあり、ますます黙ってしまったのでした。

そんなド緊張の時間を過ごしたのち、書いてくださったサインがこちら。

イラストまで描いてくださいました。
その後、何年にも渡ってこれを時々取りだして眺めては、志を新たにしていました。

そしてたまに読ませていただいていたブログで知る、原田さんの博識さ。
当時も雑誌の記事や授業で垣間見ていたけれど、映画、音楽、美術、食…と、本当に色々な事にお詳しい。
私はブログに影響されて映画『ドラゴンタトゥーの女』シリーズを全部見ました。
(原作まで読んでいないところが私は甘いのですが。)
タイトル聞いただけでは絶対に観なかったであろう映画。
お薦めだけあって、本当に面白かったです。

そしてついに2015年に原田さんの所属する憧れのTIS会員となれたのです。
お会いすることは出来ませんでしたが、同じ会に所属出来るだけで幸せでした。

そして今年になって、原田さんがTISを昨年いっぱいで退会している事を知り、ブログも(その時は)読めなくなっていたので、ショックと共に心配もしていました。

そしてこの訃報…本当に悲しいです。
いつの日か一人前のイラストレーターとして原田さんに認識していただき、会ってご挨拶したい、と頑張って来ましたが、それも叶わぬ夢となってしまいました。
でも2年だけでも同じ会に所属出来たことは私の誇りです。

OSAMU GOODSに夢や元気をもらい、原田さんに憧れてイラストレーターになった私のような人は沢山いると思います。

そんな素晴らしい偉大なる原田治さん。
もうあんな人は2度と現れないだろうなぁ。
永遠の憧れです。
ありがとうございました。
さようなら。

 

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